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新築アパート投資の最大のリスク!間取り構成に絶対はない?

2022.09.15

前回のおさらい

 

前回、間取検討において宅建業者が知らない事で起こる間違いを一部ご紹介させて頂きました。

測量図を間違うと確認申請時に大きな損害が起こる可能性があるという話でした。

前回のコラムはこちら➡「見落とし厳禁!新築アパート投資の「間取り」に潜むリスクとは

そして、今回はその②と致しまして「絶対に知ることが出来ないことで起こる間違い」に関して実体験を元にご紹介させて頂きます。

 

「間取」検討において絶対に知ることが出来ない事で起こる間違いとは

 

私が今の会社とは別の会社で働いていた頃の話です。かれこれ3~4年前になります。

あるお客様から保有している土地を売ってくれという依頼がありました。

その土地は商業地域で地型も良く、前面道路も良好で容積率が満たす限り何階でも上に上げられそうなマンション用地として最も適した素晴らしい土地でした。

私はすぐさま土地の詳細を調べるため、役所に出向き、全資料を取り寄せ調査し、設計の先生に間取依頼をお願いしました。

想定通り、そこはRC造で容積いっぱい部屋数が仕込めました。

設計士からも「良い土地です。」とお墨付きを頂き、数字を弾くと、利回7.5%弱のRC造マンションの提案が可能という計画が出来ました。

私はその土地を仲良くなったお客様に紹介しました。その方はこういった土地先行の新築アパート投資は初でした。

某有名大学の外科医をやっており、年収、金融資産も全く問題無いと判断したため、私は初めてにしては結構大規模な物を販売することだけを懸念に思いながらも、

お客様に最も適した物を紹介しているという事を自分に言い聞かせながら紹介しました。

当初は高額な物だという事でそこまでリスクを負う事に難色を示されておりましたが、周囲からの後押しもあり、購入する事になりました。

私の中にはこれまでの売買と同じ感情でやっていたものの、何かお客様の不安な心境がずっと引っかかるものがありました。

無事土地決済、請負契約も終え設計がスタートして数か月が経ち、設計会社の方から全て資料は提出済で、「後は役所の承認が出れば建築確認が降ります。」と連絡が来ました。

その連絡が来て1週間前後で承認されます。

それから1週間経ち、2週間経ち設計会社から連絡が入りました。

 

想定する間取が・・・

 

「想定する間取が入りません。入らないどころか部屋が1列全て消えます・・」

私は「え?」とその原因を聞きました。

計画は8F建てです。1列消えるとなると8部屋が無くなります・・・

「建築指導課はパスしたのですが、他の部署の上長がNGにしました。理由としては、前面道路が都市計画道路に掛かっており、道路より1mセットバックして建築物を建てなさいという事です」

それを聞いて、「あり得ない!」と反論しました。

都市計画道路など市の調査に行けば都市計画情報があり、そこで簡単に調査出来ます。

これは不動産屋だけでなく、設計士の方もボリュームプラン作成時に必ず調べる事項です。

設計会社の方もかなり市の方へ抗議してくれました。

しかも、設計時に市の方から都市計画情報を取り寄せした物を保管しており、その資料には計画情報など一切記載されておりません。

市の方は公に出していない古い資料をこちらに持って来て、「都市計画がされています。」と一点張りで、建築指導課は決まり事ですからとお茶を濁す一方でした。

 

訴訟・・・

 

私は設計会社と共にお客様へ報告しました。

お客様は青ざめた様子で、最初は我々を疑いました。

ですが、全ての証拠資料を提示し、お客様と共に一般人を装い何度も市から都市計画情報を取り寄せても、本土地前面道路が計画道路になっている情報が記載されていません。

※何故、市の方が都市計画情報を修正しないのか?と言うと、修正してしまうと自分たちが間違えていたという事を認める証拠になるからだそうです。(弁護士談)

そして、お客様も段々冷静さを取り戻し、市を相手に訴える事にしました。

最初は設計会社も施工会社も協力をしてくれると言ってくれました。

相談した弁護士も確実に勝訴するでしょうと太鼓判を押してくれました。

しかし、裁判に向けて準備をしている時に、設計会社及び施工会社から、「うちは降りる」という話が来ました。

その理由を聞いて愕然としました。設計会社及び施工会社の言い分では、

「市(国)に対して建築に関する裁判を行うと、その裁判に勝とうが負けようが、うちは名前が登録され、そこでは今後建築確認が降ろせなくなる。」と言い出したのです。

他の施工会社や設計会社に事情を聞きました。

そんな事は無いと思うが、そんな面倒な話に巻き込まれたくないという趣旨の話をされました。

それでも、お客様は訴える覚悟でいました。しかし、弁護士の方から

「こういう話は建築方面の有識者が証人に立って貰わないとかなり厳しい判決になります。」と言われ、「有識者がいないのであればやらない方が良い」とアドバイスを頂きました。

但し、市(国)を相手に裁判をするというのは、周りの協力が必須だと私も考えておりました。

私は全然お手伝いする覚悟でいましたが、これを後押ししてくれる設計会社や施工会社がおりません。

そして、借入を行っていた銀行が大反対をし、結局お客様の心が折れてしまい裁判は諦める事になりました。

 

私(岡田)の提案

 

そこから今後どうしていくか?お客様とは何度も打合せしました。

日にちが経つにつれ、お客様の鋭気が無くなっていくのが分かりました。

これはマズいなと思いました。

私はお客様のお仕事、年収、ご属性。

そして、今の不動産投資の現況を全て自分だったらに置き換え、解決策を考えました。

そこで決意をもって「中古アパートを買いましょう!」と提案をしました。

お客様は自分の事を悪魔だと思ったかもしれません。笑

この期に及んでまた不動産を売って来るのか!みたいな表情を最初されていました。

不動産投資のゴールは建築物が建った時ではありません。出口を迎えた時です。

今回購入された案件でこのままRCを建てればかなり毎月損失が出てしまいます。

なので、その「損失を中古アパートの収益で埋めましょう!不動産の損失は不動産で返す!」のが私のモットウです。

私は自分が作成した20年後までの事業計画書をお客様に見せて説明しました。

肝は「現状の土地に何を建てるのか?」そして、「それをどう中古アパートに繋げるのか?」です。

借入返済額などを考慮して行くと、この土地はRCでは無く木造3階建にした方が良いでしょう。それで借入のプレッシャーを軽減させましょう。

そうすると毎月の経費がこうなり、この経費を中古アパートの収益で相殺させます。

そして、15年ほど回して行きます。年数が経つと家賃下落などで収益が減少するので途中で不動産を更に買い増します。

その後、この土地をこのタイミング、この数字で売却しましょう。

そしたらキャピタルゲインが生じます。

今まで中古アパートで運営していたアパートをこのタイミングで解体し、改めて新築アパートを建てましょう。

そこから再スタートが切れます。

ここで間違ってはいけない事は、中古アパートの立地と土地自体の条件です。

再建築した際の計画をきちんと立てないといけません。

20年後までの事業計画をきちんと銀行に提示し、収益~出口~再出発をCFの流れをきちんと説明すれば銀行はついて来ます。

そのお客様は私の提案に対して1ヵ月ほど考えました。

 

お客様の回答

 

そして出した回答は「やろう!」という事でした。

その際のお客様の表情はまた前を向き始めた感じで立ち直りを見せていました。

私とお客様は早速事業計画書を作成し、銀行に提案しました。

銀行もお客様が高属性の方というのもあって、「20年以上もお付き合いできる(お付き合いしないといけない)形で中古アパートにも融資させて頂きます。」という返答を頂きました。

現在、そのお客様は無事木造アパートが完成し、利回5%弱ながらも他の利回12%の中古アパートも購入し、若干のCFを残して運営されております。

この苦境をある程度乗り越え、お客様の方では更に私から新築アパートを購入頂き、3棟目も今年春に完成し、満室稼働になりました。

 

最後に、建築確認が降りていない限り、間取構成に絶対は御座いません。

それが土地先行の新築アパート投資の最大のリスクであり、そのリスクが伴っている事をご認識の上慎重な判断をする必要があります。

まだまだ間取に関してご紹介したい内容は山の数ほど存在します。

それほど間取図というのは間違いが起こる要素を秘めております。

ただし、途中ふれましたが不動産投資は購入時や新築が建った時がゴールではありません。

その物件を売り切って初めてゴールなのです。

その道中に災難や失敗事など付き物です。

失敗した時こそゴールは最後まで分からないと冷静になって考えてみると良いでしょう。

本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

 

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