COLUMN

DETAIL

ノウハウ

「高利回り」に隠されたカラクリ!押さえておくべき建築費の項目8つ

2022.09.20

前回のおさらい

 

前回、土地先行の新築アパート投資におけるもっとも重要な「間取」に関して一部ご紹介させて頂きました。

間取は事業を成功させる上で一番重要な項目で2回に渡ってご紹介させて頂きましたが、まだまだ多くの危険が潜んでおります。

前回のコラムはこちら➡「新築アパート投資の最大のリスク!間取り構成に絶対はない?

「間取」だけで一晩は語りつくせますが、今回は先に進み、「建築費」編をご紹介させて頂きます。

 

「建築費」の間違い探し

 

間違い探しにおいて、間取の次に重要なのがこの「建築費」の間違いを探す事です。

業者から紹介された販促資料における想定利回というのは言わば机上の空論であり、何とでも高利回に見せかける事が出来るのです。

そのカラクリがこの「建築費」にあります。

要は紹介された施工会社がどこまでの工事をこの「建築費」に含んでいるのか?理解しなければいけません。

請負契約してから自分は外構工事も金額に含まれていると思っていた!と主張しても見積書に記載無ければそれは後の祭りです。

こういう話をすると、建築の事が全く分からない初めてやろうと考えている人には少し怖い話になってしまうかもしれません。

もちろんそのリスクを回避するには大手のハウスメーカーなどから購入する事をおすすめしますが、全てがパッケージ下された大手の商品は間違いなく安く施工するなどは不可能です。

ですので、自身で学ぶ必要があるのですが、要点は凄く簡単で、本日は抑えておくべき工事項目を全てご紹介します。

 

抑えておくべき工事項目 ①設計費

 

これはディベロッパー経由で購入する際はあまり気にする必要は無いですが、ご自身で施工会社などに見積掛ける際は気を付けた方が良いです。※私は一度失敗してます。汗

施工会社には設計施工で請負出来る会社と出来ない会社が存在します。

あくまで設計図書などは別途で行う場合が小さい木造専門の工務店などは多く見受けられます。

そこで、何もこちらから指示無く見積をお願いすると、当然のように設計費が入っていない場合があります。

ですので安い!と思っても、きちんと見て見たら設計費が追加入っていなかったというのは多いです。

設計費は構造・戸数によって金額が変わります。大体木造ですと、1戸辺り20万前後になります。

この費用を計上するかしないかで利回を0.1~0.2%変えられます。

 

抑えておくべき工事項目 ②地盤調査・地盤改良工事費

 

先ず何も相談無く見積をお願いしたら、入っておりません。

※別途と書かれていたらまだ親切な施工会社さんです。

地盤改良は建築確認時に地盤調査を行い、地盤改良が必要と判定された場合に発生する費用になりますので、見積時に反映されていない事が通例になります。

私の場合、別費用として、大体150万程度(木造の場合)想定利回から引いた形で判断してます。

この費用を計上するかしないかで利回を0.1~0.2%変えられます。

 

抑えておくべき工事項目 ③杭工事費

 

S造やRCの場合強く意識しなければなりません。

杭工事費が別途になっていると、大規模なSやRCの場合、1000万以上の追加工事になる可能性があります。

杭工事は建築確認時においてボーリング調査(地盤調査の一種)が行われ、支持層までの距離及び構造体によって決まります。

見積を掛ける際、杭工事費を予算として見積されている施工会社が多いです。

ですが必ず見積時に抑えておくべき事項として、想定支持層の距離及び杭の種類を記載して貰う事です。

杭工事費は一番揉める箇所であり、良くあるのが当初の見積時より杭工事費が掛かり増額請求されるトラブルです。

私の場合、見積時に確認した想定支持層の距離が本当に正しいのか?近隣データを調べます。

例えば東京都ですと東京都建設局が出している東京の地盤(GIS版)というサイトからある程度の予想は出来ます。

明らかに近隣データにおいて、支持層40mが多い場所に関して、見積が20mしかしていなければ、そもそもの予算がおかしいとなります。

※但し、近隣データが20mとなっており、現地が40mになるケースも御座います。

その際は仕方なく増額に応じるしかありません。

ただ、見積時に何も調査せず、増額請求されたという結果だけで不服を申し出る施主様が後を絶ちません。

ここの予算の出し方で、想定利回など簡単に0.5~1%近く変えられます。

 

抑えておくべき工事項目 ④上下水道引込工事

 

別途になっている事がたまにあります。

ここの金額が別途になっていると2~300万近く変わります。

また質の悪い施工会社ですと、前面道路からの引込工事だけ予算として計上されており、仮にそれが前面管からの引込が難しい現場であり、遠方から引込直す必要がある場合は別途費用になっている場合がありますので要確認です。

※遠方が引込直す場合、大体道路が砂利で10万/m、アスファルトで20万/m掛かります。

市区町村によって金額幅が全然違うので想定外の出費になったりします。

前面道路から引き込めるか?を判断するには、前面道路の水圧で決まります。

目安ですが、前面道路の水道管の経が100φ以上あれば水圧は十分です。100φ未満は部屋数によって変わります。大体9世帯以上は75φで要確認。50φでしたら繋ぐ事が出来ないので遠方からの引込になります。

排水に関しては、前面に下水管が来ているのか?を要確認です。

仮に来ていない場合、浄化槽を設置することになります。

アパート用の浄化槽は高額でそれだけで300万前後は費用が掛かります。

ここの予算の出し方次第でも0.1~0.5%は利回を変えられます。

 

抑えておくべき工事項目 ⑤水道加入金及び分担金

 

東京都以外においては、建物を新築する際(厳密には引込管を変更する際)世帯数分の水道加入金及び分担金というお金を施主が支払う義務があります。

これを建築費に計上しない施工会社は多いです。

施工会社の言い分としては、それは施主が支払う税金みたいな物であり、建物と関係無いという事らしいです。

私はいつもこれを言われると、じゃあ建物は誰が払うの?これ払わないと水道来ないのに、水道の無い家なんて見た事あるのか?と反論します。

ここを見落とすと2~300万(市区町村、世帯数で大きく変動)変わります。

また余談ですが、特に気を付けて頂きたいのが、東京都豊島区です。

豊島区はワンルーム条例の一環として、1部屋毎(9部屋以上より)50万円の税金を取ります。

これは知らない施工会社も多く、もちろん計上されずに15戸のアパートなど建設したら後で750万の請求が来ます。

ここを予算計上するかどうかで、利回が0.2~0.3%前後変わります。

 

抑えておくべき工事項目 ⑥ガス種(プロパン or 都市ガス or オール電化)

 

ガス種の確認は必ず必要です。

アパート建設ですと何も言わなければプロパンガス想定で見積をする施工会社は多いです。

これを都市ガスに簡単に変更するとなると2~300万以上(最悪1000万に行くケースも!) の追加請求になります。

プロパン想定においては、ガスの引込工事費が含まれておりません。

これを都市ガスに変更するとその引込工事費が掛かります。

また、昔から流行っている手法でプロパンガス会社さんからエアコンや給湯器などを無償支給させ、建築費を抑える。

その代わりにその住設類はガス費に転嫁させて償却させる方法を取ってます。

ですので、ここを単純に都市ガスに変えるだけで、無償支給していた部材まで全て有償となってしまい、大きな追加費用になるケースがあります。

ここは必ず事前に確認しておく必要があります。

 

 

抑えておくべき工事項目 ⑦外構工事

 

別途費用にするケースを良く見かけます。

また外構工事はピン~キリまで言い出したらキリが無いほど多種多様な物になりますので、どういった工事を行うのか?確認するようにします。

 

抑えておくべき工事項目 ⑧その他住設類

 

どんな住設が入っているか?確認する必要があります。

オートロックは入っているのか?どんな仕様なのか??ご自身が想定している物と一致しているか?を確認するようにします。

 

本日のまとめ

 

以上8項目が要チェック項目になります。

今回知って頂きたいのは、大きなリスクがあるところはお客様が目にするようなところ(住設類や外構など)では無いという事です。

良く購入を検討される方はどんな仕様なのか?設備や外装、内装など目に見える部分に意識が行きがちですが、本質はそこでは無いという事を知って頂けたらと思ったのと、業者から紹介される土地先行の新築アパートの販促資料の想定利回など所詮机上の空論に過ぎないという事を知って頂けたらと思いました。

本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

 

CONTACT

お問合せ

まずはお気軽にお問合せください。
不動産購入者様のプロフィールシートご提出も
こちらからお願いいたします。

READ MORE

お問合せ

個別面談

物件情報

CONTACT

お問合せ

まずはお気軽にお問合せください。
不動産購入者様のプロフィールシートご提出も
こちらからお願いいたします。

READ MORE