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土地先行の新築アパート投資「建築費」と「間取り」に潜む落とし穴とは?

2022.09.28

前回のおさらい

 

前回まで土地先行の新築アパート投資におけるもっとも重要な項目であります「間取」&「建築費」をご紹介させて頂きました。

この2項目が土地先行の新築アパート投資を成功させる上で7割は占めるほど重要な項目であります。

前回のコラムはこちら➡「「高利回り」に隠されたカラクリ!押さえておくべき建築費の項目8つ

本日は私のメルマガに大変興味をもって頂いている投資家さんより、もっと私が実際どのように物件判断しているのか?

体験談を紹介したらどう?とアドバイス頂いたので、本日は私が実際に検討した案件のご紹介をさせて頂きます。

 

私(岡田)が検討した案件

 

今から2年ほど前、我々の中では都内RC8%投資というのが流行っておりました。

私も都内RC8%で建築出来れば、悪くても5%で出口を作れるので大きなキャピタルが取れるという大きな妄想を胸に抱き、業者から情報を収集しました。

そんな中、ある業者さんから「蒲田駅徒歩8分 RC 7.8%」の土地先行型の提案を頂きました。

一部屋辺りの専有面積は18㎡と若干狭めですが、蒲田駅でしたら申し分ない広さです。

家賃設定も“その時は”周辺相場と遜色ない設定で大変魅力的な案件に思えました。

私は即日買付し、検討に入りました。

頂いた間取を自分のメンターの設計士に提出し、私は現地視察及び融資打診を行い、建築費及び完成イメージ化に入りました。

ここから「間違い探し」の開始です。

私が先ず目に飛び込んだのが建築費の安さです。

概要書に記載されている施工費はなんと坪95万!(施工床面積ににて坪数試算)でした。

安い!と思ったのと同時に必ず何かカラクリがあるとも思いました。

こんな安いのに概要書にはデザイナーズマンション!とか謳っており、物は言いようですね。と思ったものです。

 

建築費の精査

 

そこで基本に返り始めるのが建築費の精査です。

最初は何か項目を別途にしているのか?と思いましたが、杭工事費以外全ての項目がきちんと記載されており、金額まで詳細に記載されております。

「何故こんな安いのか?」と聞いてもどうせロクな回答して来ないと思いながら担当営業に聞いても、

「数を多く発注しているのでグロスで安くして貰ってます。」というマニュアル通りの回答です。

 

現場視察

 

これは現場を一度見せて貰うしか無いと思い担当営業にお願いして現場視察をさせて頂く事にしました。

担当営業もよほどデザイナーズマンションに自信を持っているのか?気前よく手配して頂きました。

現場に入って飛び込んで来たのは、打ちっぱなしのRCに張りぼてみたいな装飾のしてある建造物でした。

デザイナーズというより改造車です・・・デザインなどは最初から期待していなかったので私が今回知りたいのが坪95万の真相です。

どこまで金額と物の価値を近づけられるか?が重要です。

部屋に入らせて頂き、直観で感じたのが圧迫感と目に飛び込んで来た配管です。

「え?配管むき出しになっているんですけど・・・」

担当営業は「これもデザインの一環です。配管を出すことによって部屋のデザイン性を高めています。」と言います。

物は言いようです・・・

私も「なるほど!上階の排便や排水する音を聞きながら暮らすのも良いですね!」と言うしかありません・・・

 

圧迫感の要因

 

それより気になるが圧迫感です。何がこんなに圧迫しているのか?

その答えは「階高」にありました。

通常の分譲マンションなどの階高は大体2.8m~3m前後です。

賃貸アパートなどは2.7m前後は良く見かけます。

しかもそれは配管類をしっかりカバーする前の高さなので、実際人が住むところは2.5~2.8mぐらいになります。

この建物に至っては後から図面を見せて頂いたところ、2.55mでした。

しかもそこから配管類がむき出しているので実際では2.2~2.3mと言ったところです。

私の身長が1.8mなのですぐ上に配管が来ているイメージです。

これだと上階の人の排水音が良く聞こえます。

この階高の調整によって構造物全体の比重を下げられるので価格が安くなります。

RC5階建でベタ基礎で行ける可能性が高いというのも地盤が良ければあり得るかもしれません。

確かに何も嘘はついておりません。但し、この部屋を周りと同じ専有面積の部屋と同家賃に設定するは無理があります。

この仕様では建築費が安くなると言っても、当然家賃も低く設定すべきです。

むき出しの配管

 

もう一つ気になったのが、その配管です。配管が全てそのまま外に出て行ってしまっているのです。

建物の裏側に回ると全部屋の配管が外に出てそのまま下に行ってます。

イメージとしては子供の頃社会見学した化学コンビナート工場です。

営業担当に「これもデザインなんですか??経年劣化早くなって5年も経てば全交換かな?それは収支計画に入ってますか?」と聞いても「交換時期は物によりけりなので」という回答。

「物によりけりという話では無くて、普通なら部屋の中にPS(パイプスペース)設けて中から通してこれば経年劣化防げるでしょう??」との質問に、「そしたら専有面積が狭くなりますので!」と物は言いようです。

何故建物正面に張りぼてのような装飾をしているのか?は、この配管類を隠すためなのかもしれません。

他には打ちっぱなしのRCだったのですが、名前の通り本当に打ちっぱなしになっており、見せて貰った建物は築2年ぐらいだったのですが、既に雨による染が出来ており、早くも一部ひび割れがありました。

これはコーティング塗装をやっていない証拠です。

食器や伝統工芸などは古くなればなるほど味が出るとも言いますのでこれもデザインなのでしょう。

 

物件を購入?

 

私は帰って上記を是正した形で再度見積をお願いしました。

そしたら今度は坪130万ぐらいまで上がった形で出て来ました。

お断り価格でもあったかもしれません・・・

この物件に関して購入したかどうかは察しの通り、見送りとさせて頂きました。

見送りの一番の理由は、このまま坪95万で建ててもまだ安いと思ったのが全てです。それでも安いです。

※同じ手法で建てた場合、今なら坪110~120万ぐらいします。

今、この会社がどうなったのか?はかなり遅延しながら建てているが、坪120万ぐらいまで請負金額は上がってます。

坪120万でしたら頑張れば通常のRCマンションを建ててくれる業者がいると思います。

 

まとめ

 

如何でしたでしょうか??

今回、私がお伝えしたかったのは建築費との整合性を図る上で、普段平面上しか見ない傾向にありますが、立面上からも建築費を安くする手法があるという事を知って頂きたかったからです。

立面的な要素は中々想像が難しく、見落としがちな部分でもあります。

もう一つは必ず現場を見る重要性です。

仮に立面図などに階高2.55mで書いてあったと仮定した場合でも何人の方がそれだけで疑問を抱けるでしょうか??

本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

 

 

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